つい先日GoogleChromeの開発者版にて、RealTimeCommunicationの機能が追加されたようです。
Flashに依存しない、リアルタイムな双方向コミュニケーションを実現できるようになる技術が、ようやく正式導入の一歩手前まで来ました。
この機能の導入までの手順は、
1,コチラからGoogleChrome開発者版(MacOSX)をDLして、
2, Chrome://flags とアドレスバーに入力し試験機能の設定画面に行く
3, EnableMediaStream を有効にする。
他の機能を有効にしても良いのですが、バグがまだ山のようにるのでオススメはしません。
[ Index ]
- WebRTCで出来ること
- いままでのリアルタイムコミュニケーションのの技術
- WebRTCでWebはこう変わる
- 個人的に実現したいアイデア
WebRTCで出来ること
対応していないと、何も映らないのですが、Webカメラの映像をキャプチャして出力できます。マイクや外部入力に対応しているので、いままでFlashを通じてしか出来なかった、生放送やストリーミング配信がブラウザベースで実現できます。
また、P2P通信(Skypeのようなリアルタイム通信)を実現できるようになり、
個人間での、チャットやビデオ通話やファイル交換がブラウザ上で実現できるようになります。
まだ、試していないので何とも言えないのですが、Skypeで出来るような事がブラウザ上でいとも簡単に実装できてしまいます。
これらにより、これまでサーバーを通じてデータのやり取りをしていた既存のWebのプラットフォームが、ブラウザアプリ間でのコミュニケーションに移行していくことになります。
いままでのリアルタイムコミュニケーションのの技術
WebRTC(Web RealTime Communication)は今までブラウザアプリでは出来なかった、外部入力とP2P通信が可能になります。
しかしそれらは全てFlashで実現ができていました。いままでHTML5の新機能として騒がれてきた技術も、すべてFlashで実現できてしまいます。ここで、Flash VS HTML5 の話をするのはナンセンスなのですが、「 WebRTCが導入されてもWebは今までと何も変わりません。」と結論づけるのも悲しいので、すこし話を逸らしながら分析していきたいと思います。
そもそも、Flashはブラウザアプリとは全く別のアプリケーションです。全く別というのも変な話ですが、実際今まで私たちは InternetExplorer でニコ動を見ていたのではなく、Flashというブラウザ組み込み型のアプリ上でニコ動を見ていました。
かたや別のアプリ上では、スカイプやYahoo!Messengerなどで音声通話やチャットを、リアルタイムで楽しんでいました。
これらのアプリはインターネット通信を利用したアプリです。
インターネットブラウザも、やろうと思えば同じような事が出来たはずです。それを今まで出来てこなかった理由とは、インターネットは集合知として、ブラウザはその情報閲覧ツールとしての役割を、しっかりと果たさなければいけなかったからだと思います。
HTMLは文章構造と意味の明確化の為に存在していて、CSSはその情報の可読性や視認性を保つための言語です。
本来はその為だけに開発された言語であるため、リッチなコンテンツやコミュニケーションに視点を置いた機能を持ったでは有りませんでした。
しかし、ソーシャルネットワーキングや動画のストリーミング配信がWebのメインコンテンツとなりつつある昨今では、そうしたリッチな体験をユーザーに提供するためには、外部アプリケーションに頼らざるを得ませんでした。
こうして、昔からリッチなコンテンツ体験の出来るアプリとして普及率の高いFlashが、ユーザーに選ばれ、普及率95%を達成しサービスを提供する側がこぞってこの普及率に飛びつきました。そして、FlashはW3C(Web言語の策定協会)の意向を気に留める必要が無かったと思うので、様々な機能を独自に追加していったようです。
ブラウザの側は、本来のHTML/CSSの存在意義を保ちつつ、リッチなコンテンツを置ける技術の策定を急ぎましたが、ブラウザアプリといえば、メインで使われているのでさえ5種類あり、しかもW3Cとの意見のズレなどもあり、なかなか技術の標準化がされることがありませんでした。(XHTMLやDHTMLなど)
しかし、HTML5としてブラウザ界の意見がまとまると(2008年)、技術の策定は次々に行われています。
そして、イマココ状態です。
2014年にはそのすべての機能が出そろうことでしょう。
いままで遅れを取っていた機能が来年には追いついてゆくと思います。
WebRTCでWebはこう変わる
「WebRTCでブラウザがネットワークの統合環境となる」
と行ったら言い過ぎな感じもしますが、いままでネットワークを介して行われていたサービスが段々ブラウザに統合されていく未来が想像できると思います。
ChromeOSがいい例なのかもしれません。いまや、Webを介さないとPCはタダの計算する箱になりかねません。それほど、コンピューターはWWWに依存しています。
P2Pを利用したファイル共有やビデオ通話や、情報の共有など、インターネットを介したサービスはすべてブラウザで終始することになるでしょう。Skypeもブラウザ版が出たり、Winnyなんかのファイル共有ソフトもブラウザベースで実現できるようになるでしょう。現在HTML5が何故か向かっている、3Dゲーム環境が整えば、ブラウザ版モンスターハンターなんてすぐに出てくるでしょう。
しかし、Flashが本気を出せば、そのようなことは大体できちゃいます。なので、出来る限界は変わりませんが、そのあり方自体が洗練されより便利になって行くでしょう。もちろんFlashもその一角をこれからも担っていくと思いますが。
これらは、あくまで予想にしか過ぎません。
Flashで同等の技術が実現できるのにも関わらず、 いまだネットワークサービスが統合していないのは、FlashがAdobe製品の一つにしか過ぎない物だからだと思います。なので、ゲーム会社だったりその他の競合する企業が、Flashに依存せざるを得ない環境に参入しづらくなっているのが現状だと思います。
しかし、HTML5は誰のものでも有りません。皆のものです。
そんな所も、HTML5が推されている要因の一つなのかもしれません。
個人的に実現したいアイデア
- Web Skype (Skypeの様にブラウザベースで通話やチャットが出来たら普通に便利そうです。)
- 音声入力でビジュアライゼーション
- いっしょにWebサーフィン
ブラウザ同士がP2Pで繋がって、トモダチと一緒の画面でWebサーフィンができる。 - Facebook広場
ネットゲームの世界でFacebookが楽しめる。 音声で会話できたり、物を売買したりできる。
それはそうと、Evernoteでこしらえた情報を売買できる世界は来ないんでしょうかね。
せっかく頑張ってこしらえた情報が、自分だけしか使えないなんてもったいなくないと思っています。