SNSとして成熟期を迎えつつあるTwitter。最近、レイトマジョリティ層(流行に遅れて乗る人たち)が積極的に参加しだし、単なるSNSの範疇を超えた物になりつつあると思います。そんな昨今、Twitter利用に新しい新しい価値観が生まれつつある中で、”次世代のメディア”としてのTwitterの存在を少し再考してみたいと思います。
目次
- ○○メディアとしてのTwitter
- ・パーソナルメディア ・ソーシャルメディア ・マスメディア
- あたらしい視点の”Twitterの価値”
- Twitterを水平思考してみる
- Twitterは教室である
- Twitterは監視カメラである
- Twitterは名刺である。
- Twitterリテラシー
メディアとしてのTwitter
メディアとは、人から人にコンテンツを運ぶ媒体です。
メディア (media) は、情報の記録、伝達、保管などに用いられる物や装置。媒体(ばいたい)、情報媒体などと訳されることもある。 -wikipedia
この定義から見ても、Twitterがメディアであるということは疑う余地がないと思います。
Twitterの元来の使用法は、コミュニケーションツールだと思っているのですが、ここでは“人に情報を伝えるメディア”という視点からTwitterを見てみます。
パーソナルメディア
パーソナルメディアとは、その名前の通り、個人の情報を発信するメディアです。Twitterでは、「今日風呂でうんこしちゃった」とか「彼女の蒙古斑が気になる」とかそういった日常の気づき140文字で発信できます。文字の情報は、軽量でありかつ奥が深くて飽きが来ませんし、個人が、気軽に意見や思考や気付きを発信することが出来ます。
しかし、パーソナルな情報として発信された情報は、他人にとってはノイズとなりやすく、極めて邪魔なモノとなってしまいます。身内ネタで盛り上がりまくってるフォロアーを見てると、結構イライラしますよね。意味がわからない単語ばっかり使う人はリムりたくなりますよね。
自己顕示欲丸出しの超パーソナルな情報は、他人にとってはノイズでしかなりえないのに、気づいていない人も多いです。そういう時は、そっとリムってあげるのが礼儀ですね。
例えば、
「後輩に教えるなら、DjangoかRailsどっちがいいのかな。PyもRubyも触ったことないけど、どっちも楽しそう。もちろんJSも、Workerを動かせるまでやらせるつもりだよ。」
とかツイートしてる暇があったら、
「彼女にするなら、ゆるふわ系ガーリー か モテ系美人メイク かどっちがいいのかな。ちなみに、ZipperもCanCanも読んだことないけど、僕はどっちも好きですね。」
といったツイートをする方が、まだ幾分か有意義だと思います。
ソーシャルメディア
最近新しいメディアとして大注目を浴びている、ソーシャルメディア。一つのつぶやきが、シェアされ拡散され世の中に広まって行く”バズ”という現象に、たくさんのマーケッターが魅了され、持ち上げ、神格化してる風さえある。それもそのはずで、高額な広告枠を買ってやっと得た情報発信源でさえも、ユーザーの心に届かないものが殆どであったのが、ソーシャルメディア上では情報は個人の感情をまとった物として拡散されるので効果があるように見えるし、反応もダイレクトに認知できるので、広告マンやマーケッターにとっては凄く楽しいメディアであるに違いないと思います。
僕が注目したいのが、
マーケッターが流した情報に、個人が反応を返せる点です。
従来のメディアでは、企業と消費者の位置関係は隔たりがかなりありましたが、ソーシャルメディアでは発信者と受信者は同じ次元に存在しています。ソーシャルの最大の特徴はそこにあると思います。
僕が孫正義に
「iPhoneで、テザリングさせろ。テザリングさせろ。テザリングさせろ。テザリングさせろ。テザリングさせろ。テザリングさせろ。テザリングさせろ。」
ってリプライを送ることも出来ます。
また、何気なく自信ありげに
「できるもんならおいらを特定してみやがれ!オラオラ」
と呟いたら、ガッコのセンセに検索されて特定されたりもします。
企業も消費者も生徒もセンセも、Twitter上ではすべて並行した次元にいます。その特性を理解していないと、声高に「ソーシャルメディア使ってマーケティングだ!」とか叫んでもTwitterをブラックボックスとしてでしか使えなかったり、失言して炎上したりもします。極端な例ですが、
野田総理が「どうしたら、日本ょくなるのかなぁ・・・。わかんないや…だれかぉしえて」
とかつぶやくぐらいの意気込みが必要な気がします。
マスメディアとしてのTwitter
もはやTwitterはマスメディアとしての機能を十分に果たし得てると思います。金環日食の盛り上がりはTV以上でしたし、時にはTVよりも早くニュースが伝わってくることもあります。企業が、大量の消費者に情報を伝える手段としても非常に効果的ですね。
Apple Insider「新しいMacbookが出るのは確定?!詳しくはこちら!」
Apple「広告費¥0でバズマーケですねw。」
このように、企業はより生活者に近いメディアを通して情報を発信することにより、情報の拡散力は段違いになります。さらに、有力なブログメディアは、Twitterなどへの拡散を通してマスメディアへと成長することができます。つまり、Twitterはメディアをマスメディアと進化させることが出来るのですね。たぶん。
Appleさん流石だぜぇ。
新しい視点の”Twitterの価値
”SNSとして成熟しつつあるTwitterに、最近新しい価値を見出しているサービスが沢山ありますね。例えば、
- ユーザーに自社サービスのメディアになってもらう
- RSSリーダーとして、後で読む機能として
- 自社製のSNSサービスのユーザー同士のマッチングのため。
- 趣味、興味の抽出。それを生かしたマッチング
たかが、ソーシャルミニブログサービスも、ユーザーが増えると面白い使い方が出来ますよね。Twitterの価値は、一人一人のコンテンツ力ではなくて、烏合の衆のメディア力だと勝手に思っていますが、そこ以外に目をつければ、斬新なサービスを作れる可能性が生まれる気がします。 個人的なアイデアとしては、
- 実名性と匿名性が曖昧、混在、混沌としている所
- 複数人との対話が公開され、観察されている所
- ツイート検索による、知らない人とのコミュニケーション
- 厳密なタグ付が存在しない所
- 皆、Twitterアカウントの中の人は実在すると思ってる所
- フォロワー数が多いと凄いと思われる所
- 昔のアーカイブが残ってないようで、かなり残ってる所。
Twitterを水平思考してみる
水平思考は、問題解決のために既成の理論や概念にとらわれずアイデアを生み出す方法である。ーWikipedia
ということで、Twitterを既存の概念以外の物として捉えてみたらどのような物が生まれるのでしょうか?
Twitterは教室である
Twitterは教室であると思います。僕は、日々有識人のありがたいお言葉を吸収して、自分の糧としています。また、自分だけでは到達し得ない領域も偶然垣間見ることが出来ます。問題発言をすればお灸を据えられますし、生徒同士のコミュニケーションも活発に行われます。誰かが、「5!?」とツイートすれば、理系が「120」と答えます。先生に「ひも理論を一言で教えてください。」と聞けば、「宇宙も原子もウロボロス。」と答えてくれるでしょう。
Twitterは監視カメラである。
以前、”ソーシャルストーキングしてみた” とかいう記事をみたことがあります。Twitterで現在位置を共有している人を検索し、その人にリアルで突撃してみるといった企画です。僕もそれに触発されて、Twitter本人特定をしてみたのですが、案外簡単に見つかりました。特に、ご飯ツイート+4sq は一瞬で本人特定出来ます。これ本当に怖いです。みなさんも気をつけましょう。
Twitterは名刺である。
知らない人や一回会った人の本質を知りたい時、その人のTwitterのTLを見ればだいたいその人がどんな人かわかります。どんなことに興味を持ち、どんな思考をし、どんな装いを人前でするのか大体わかります。また、「人に、こう思われたい」と思ったら、そういう人を演じることも出来ますよね。頭良く思われたいなら、
「昨日の講義で教授が仰っていた、(ラングの体系をパロウルから読み解くと新しい発見がある。)という言葉を信じて本気で考えてみる。ソシュールのパロウルの定義がフロイトのそれと若干違うことに気づいていたのは、私だけに違いない。」
とかそう言った類のつぶやきが効果的だし、面白いひとだと思われたいなら
「人差し指の付け根を鼻につけて、反対の手の親指を腰に当てて見な…WRRY…」
とか呟いたら、面白いことになると思います。多分ですが。
Twitterリテラシー
最近レイトマジョリティ層(流行にやっと乗る人)が増えて、Twitterは普通の人が増えて来たので、マナーがしっかりなってない人が増えてきてますよね。Twitterも現実社会の一部です、現実で言えないことは言わないようにしましょう。とか言っても、どうせ聞かないだろうし、そんなのTwitterじゃないです。Twitter社会で生きて行くために必要な教養を、少し考えて見ましょう
鍵とブロックを使いこなせ
Twitterには、他人のTLさえも監視している、病気みたいな人がいます。あなたをフォローしていなくても、リストで気軽にあなたのTL見ることができます。見られたくない人は、徹底ブロックしましょう。病気みたいな人は、見ればすぐわかります。それが多すぎる場合は、早めに鍵をかけましょう。自己顕示欲は、理性で抑えないと時に予想だにしない事件を生み出すことになります。
アプリ連携は控えろ
あなたがエッチな動画をyoutubeやニコ動で見たとき、たまに物凄くいいものがあって、ついお気に入りにいれてしまいました。その瞬間に、あなたの性的嗜好がTwitterだけではなく、Facebookや他のサービスで世界に公開される危険性があります。Tumblrのスキが最たる例でしょう。見られてないという先入観は落とし穴です。そして、それはTwitterも同様です。ブロックされた人でも、その人のツイートを見る方法は無限にあります。気をつけましょう。
4squareはやめろ
あんなサービスはなんの意味もない。なんの意味も見出せない。ハイリスクローリターンすぎる。あなたがメイヤーをとるのに必死になってる瞬間、泥棒はあなたの家の通帳を探すのに十分な余裕を持てるでしょう。
Twitterやめろ
Twitterなんかやめましょう。気が楽になり、日常が少しハッピーになります。
あとがき
そもそも、メディアアートが何なのかよくわかってない自分がいるのですが、世の中のメディアアートと呼ばれるものを見ていると、おそらくメディアアートは「エレクトリックなアート」って感じの存在だと思います。本当に、メディアの特性を捉えてコンテクストに沿った表現を、そのメディア上でやってるモノはあまりない気がします。といううかメディアの範疇が広すぎるんですかね。Twitterはメディアです。人と人を繋ぎ、140字を届けます。そこで、人と人じゃないモノを繋いだらどうなるでしょうか。そこには、何がコンテンツとして伝わるのでしょうか。夏が始まりそうですが、これからも頑張って行きましょう。