SportsDesign.Campに参加して悔しかった話

1.経緯

インタラクティブなプロジェクションマッピングを制作できるワークショプSportsdesign.Campに参加してきました。

インタラクティブなものづくり出来る人としてプロジェクションマッピングの経験の一つや二つは経験しといたほうがいいだろうという考えで、参加することにしました。普通の映像制作とは違う、インタラクティブなものということでハードルは高いように思えました。

あと、BaPAのときのように精神と体力を削られて制作しているのに、リターンがあまりない状態の二の舞いにはなりたくなかったので、チームにおける負荷分散などは最初から気をつけようと思っていました。

今回のプロジェクションマッピングは、スポーツをテーマにしたインタラクティブなものである必要があり、合計2分30秒の尺に収めるという規定がありました。

2.チーム

チーム構成は、開発オレ一人、デザイン一人、映像制作2人、ディレクター系2人の六人。もう一人開発がいれば幅が広がりそうだなと思いつつ、バランスはわるくなさそうに見え。

ワークションは全三回あり、アイデアだしから始まり、デモ、モックを経て本番発表という流れです。しかし、年末ということもあり各メンバーの仕事が詰まった状態になりやすく、なかなか集まる時間とれなかったりしてなかなかスムーズにものづくりがすすまず、ヤキモキする時間が多かったです。

3.制作

主な制作環境はWindows+Unityでアプリ制作+起動です。最近ではこの構成がインタラクティブ業界では安牌なのではないでしょうか?最近ハイスペックPCを購入したのも、三割くらいはこのためです。手持ちのMacbookではプロジェクションマッピングに耐えうるスペックではなかったので。

東京ビックサイトのプロジェクションマッピングの解像度は、1920×1080(FHD)二枚です。また、映像をUnityで扱う関係上、裏側でのRenderTextureも多用するのでGPUとメモリに余裕がある構成でないとフレームレートの担保が難しいと判断しました。

ただ、僕がWindowsの環境構築に慣れておらず(といううかほぼ初めて)いろいろ苦労するかなと思ったのですが、UnityとVisualStudioの相性がよく、Unity開発自体はそこまで苦労せずにすみました。

Unityでの動画の扱いですが、お金があったらAVUtilを使うのが一番よさそうな気がしますが、一番扱いやすいビルトインのVideoPlayerを使うことにしました。普通の動画は、mpegで透過動画は、VPX(webm)で対応しました。

ビッグサイトの形状はBlenderでモデリングして、演出に反映したりしました。正直、ここが一番時間がかかってしまった記憶があります。Blender力メキメキ向上。モデリング楽しいです。

あと、輪の中をボールが通ったのを検知する仕組みを作る必要があったのですが、検証した機構は、ドップラーセンサーとカメラの二つでした。ドップラーセンサーはスピードガンにも使われているセンサーで高速で 動くものを捉える能力はピカイチです。ちゃんとしたスピードガンはかなり高価になっており、予算の出ない今回のプロジェクトでは導入が難しそうでしたが、とりあえず安く買えるKITで試してみました。しかし、そのKITが内部でフィルタリングしてるのか、早いボールは全く検知してくれませんでした。既製品のキットを改造する時間と労力が惜しかったため、Webカメラと画像処理で最終的にはいくことにしました。コチラは安価で地調整もアプリ上で行えるため、最終的にはかなり精度良く検知することができました。

4.本番

かなりバタバタしながら、本番をむかえました。こういう現場モノは、本番で事故を起こすのが最悪なので、いかに事故が起きる要因をなくしていくかが肝要です。

音はちゃんと出るか。映像は正常に出ているか。センシングに問題はないか。限られた時間の中で、確認できるところは確認するように心がけました。

しかし、サウンドまわりをチェックしたあとに運営の都合でオーディオジャックを抜かないといけないタイミングがあり。念のため、使用するオーディオデバイス以外を無効にして、勝手に他のオーディオデバイスに変わらないように設定をいじりました。その後再度オーディオジャックを指して以降、サウンドまわりの設定や音出し確認ができないまま、本番を迎えることになってしまっていました。

他のオーディオデバイスは無効にしてるから問題ないだろうと思って居たのですが。実は、使用する予定だったオーディオデバイスがこの時無効になってしまっていて、(設定ミスなのか、OSの自動オーディオデバイス選択のせいなのかはわかりません・・・)

いざ、本番を迎えてみると・・・・「音がでない・・・・。」

冷や汗がどっと溢れ出しましたが、慌てずに原因を探ろうと四苦八苦しますが、どうやら設定ミスだとわかると、諦めて音無しで強行する選択を渋々とる他ありませんでした。

観客数百人が見守る中、制作した作品が音無しで上映されるのを、じっと見ているのは苦痛のほかありませんでした。